乳歯の歯並びは適度なすきっ歯が望ましい
以前お話しした通り、矯正歯科治療の適切な開始時期は7~8歳であることが多いのですが、乳歯列(全て乳歯の歯並びのこと)の時期から相談は受け付けています。
乳歯列の相談の内容は、受け口(反対咬合・下顎前突)、出っ歯(上顎前突)、すきっ歯(空隙歯列)、叢生(そうせい:歯並びのガタガタ)など様々なのですが、今回はすきっ歯と叢生に焦点を当ててお話しします。
最近では歯並びに関する情報も豊富で御存知の方もいらっしゃるのですが、乳歯の歯並びはすきっ歯であることが理想的です(特に4〜6歳くらいではすき間ができていた方が良い)。
なぜならば、永久歯の前歯が乳歯の前歯よりだいぶ大きいからです。
すきっ歯でなければ永久歯に生えかわった時にすき間が足りずに叢生(歯並びのガタガタ)になってしまいます。
乳歯列にすき間がある人でも約4割が叢生を生じるという研究データがあります。
したがって乳歯にすき間のない歯並びの場合、永久歯に生えかわるとガタガタになることがほとんどです。
乳歯列にすでに叢生があると、生えかわっても100%叢生になるというデータもあります。
乳歯列にすき間がなかったら、将来的には歯並びがガタガタになると考えていた方が良いでしょう。
大人の歯が生えるために適度なすき間が有れば良いわけですが、逆にすき間が有り過ぎると将来的にはすきっ歯になってしまいます。